特集4

  1. トップ
  2. サステナビリティ
  3. 特集
  4. 特集4. リスク管理を強化し、ハピネットグループの持続的な成長を目指す

特集4. リスク管理を強化し、ハピネットグループの持続的な成長を目指す

写真

ハピネットグループは、会社を取り巻く経営・事業環境の著しい変化や、長期・中期ビジョンを踏まえた中期経営計画の策定に伴い、外部環境・内部環境の変化に適応する事業リスク項目およびリスク管理体制の見直しを行っています。リスク管理を強化することでリスクの低減および未然防止に取り組み、ハピネットグループの持続的な成長を目指しています。

事業リスク項目と管理体制の見直しを実施

社会の変化のスピードが速く、将来の見通しが不明瞭な「VUCA時代」と呼ばれる現代、企業はますますリスクに対する予測力や対応力が求められています。マテリアリティに「健全かつ有効なコーポレートガバナンス基盤の構築」を掲げるハピネットグループは、外部環境・内部環境の変化に合わせ、経営活動に潜在するリスクの洗い出しと優先順位付けを行うとともに、今後の継続的なモニタリングに向けた体制を構築し、リスク低減と危機発生の未然防止に努めています。

2022年度は、経営・事業環境の変化や、長期・中期ビジョンを踏まえた事業活動の拡大に伴い、代表取締役を統括責任者としたリスク管理体制の整備を行うとともに、下記の取り組みを実施しました。

重要リスクの選定

ハピネットグループの事業リスクを把握するため、2022年4月に経営層・管理職を対象に書面アンケートを実施。また5月にはプレジデント・室長にインタビューを実施しました。これらの結果をもとにリスクマップを作成して当社におけるリスクを網羅的に洗い出すとともに、発生頻度と影響度を勘案して10個の「重要リスク」を選定しました。

図 図
洗い出したリスクを影響度、発生頻度に応じてシビアリスク(S)、ハイリスク(H)、ミドルリスク(M)、ローリスク(L)にマッピング。
大分類 リスク項目 リスクレベル
(A)成⾧戦略に関するリスク
  • ①市場環境の変化​
  • ②事業投資・企業買収​
S
H
(B)特定の仕入先・販売先への依存に関するリスク
  • ③特定の仕入先・販売先への依存
H
(C)棚卸資産に関するリスク
  • ④過剰在庫の発生
H
(D)外部委託先管理に関するリスク
  • ⑤外部委託先管理
H
(E)人材の確保と育成に関するリスク
  • ⑥人材の確保と育成
H
(F)IT・情報管理・デジタル対応に関するリスク
  • ⑦システムの停止
  • ⑧情報管理
S
H
(G)事故・災害対応、事業継続に関するリスク
  • ⑨事故・災害対応、事業継続
S
(H)広報対応に関するリスク
  • ⑩広報対応
H
  • ※ 2022年度は10個の「重要リスク」を選定。

重要リスク対応策の検討と実行

各重要リスク項目に関わる担当部門の責任者・担当者による「リスク管理全体会」を10月に実施。リスク管理の重要性についてインプットするとともに、各リスクの課題や対応策を部門ごとに検討し、経営層にも共有しました。また3月にはリスク管理全体会にて進捗の報告と来期への課題を共有。また、取締役会にも報告を行いました。

BCP(事業継続計画)の改訂

  1. 初動BCP
    有事の際に招集される「緊急対策本部」(事務局、ヒト班、モノ班、資金班、システム班、物流班で構成)の各班責任者・担当者を招集し、全体会を開催しました。各班の連携について確認するとともに、各班にヒアリングを行ってBCPを現状の業務に合わせた内容へ見直し、初動における「緊急対策本部マニュアル」を改訂しました。
  2. 事業復旧BCP
    トイカンパニーにおける事業復旧BCPの見直しを実施しました。現状の業務や組織体制についてヒアリングを実施するとともに、BCP策定の部門単位を検討。また緊急時に対応すべき優先業務や優先取引先の選定、時系列に行動・実施する事項の検討を行い、これらの結果をもとにBCPを策定しました。今後はトイカンパニーだけでなく、これらの取り組みを全カンパニーに展開していく予定です。

担当者の声

(株)ハピネット 経営企画室 経営企画部 経営企画チーム 吉野 美玲

(株)ハピネット 経営企画室 経営企画部 経営管理チーム 神山 小苗

中期経営計画の策定に伴いリスク管理の見直しに着手

過去に策定したBCPが時間の経過とともに一部形骸化していたことや、2022年4月より第9次中期経営計画が始動したこともあり、事業領域拡大の可能性も見据えてリスク管理の見直しを実施することとなりました。

個別リスクに対する取り組みでは、数回にわたり部門の会議に参加し、リスク管理の重要性を説明したり他社のリスク事例などを共有したりしたことで、部門からのリスク管理に対する理解を得られ、現場で実際に感じているリスクの共有や、リスク対応策についての活発な意見交換など、非常に前向きに取り組んでもらうことができました。

中期経営計画策定だけでなく、昨今のサステナビリティの流れや、社会的な要請の高まりを受けて、社内においてもリスク管理の重要性への認識が向上していたことからも、今回、見直すよいタイミングだったと思います。

今回、BCPとしてマニュアルなどを策定しましたが、これらは有事の際に生かされてこそ意味を持ちます。訓練などを通してマニュアルの見直しを行い、実用性の高いマニュアルへと改善を図っていきたいと思います。

またリスク管理体制の整備は終わりがあるものではないため、今後も当社の事業リスクをしっかりと捉え、そのリスクに必要な対応策を実施する体制を維持できるよう努めていきます。

写真
(写真左から)神山、吉野

常にリスクと隣り合わせであるという認識を持って

リスク管理体制の構築は、ハピネットの内部統制基本方針にも掲げられているほか、マテリアリティのひとつ「健全かつ有効なコーポレートガバナンス基盤の構築」の中期取り組みである「適正なリスク管理運用体制の構築」の一環としても重要な取り組みです。また、コーポレートガバナンス・コード原則4-3にもあるように、取締役会はリスク管理体制の整備やその運用状況の監督が義務づけられており、今回のリスク選定や管理体制の見直しは、コーポレートガバナンス・コードにも従ったものとなります。

会社や事業におけるリスク項目を明確にし、具体的な対応策を検討・実施することは、当該リスク発生の低減につながります。また、万が一そのリスクが発生した場合にも、どのような行動をすべきかあらかじめ認識しておくことで、より迅速な対応が可能となり、被害を最小限にとどめることが可能です。今後もリスク管理を積極的に推進するとともに、事業を推進する従業員一人一人が常にリスクと隣り合わせであるという認識を持って、日々の業務に取り組んでいくよう周知・徹底を進めていきます。