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特集1. 物流領域における環境負荷低減への取り組み

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ハピネットグループは、環境への配慮が持続可能な社会の実現に向けた重要課題であるとの認識のもと、環境面におけるマテリアリティとして「廃棄物の削減、再利用」「サプライチェーンにおける環境負荷低減」を掲げています。事業活動によって生じるCO2排出量や廃棄物の削減に取り組み、環境と調和した事業の発展を目指しています。

梱包資材使用量の削減によるCO2排出量の削減

気候変動などの環境問題が深刻化し、事業活動を通じた環境負荷低減への取り組みが求められる中、ハピネットグループは納品時の梱包を見直すことで、CO2排出量の削減につなげています。

ハピネットはこれまで玩具などの商品を納品する際に段ボールを使用していました。しかし、段ボールを使用した納品は、空きスペースを埋めるための緩衝材やテープなど多くの資材を消費します。しかもこれらの資材は1回の納品でゴミとなる使い捨て資材です。いかに商品の破損を防ぎながら使い捨て資材を使わずに納品できるかが課題となっていました。

そこでハピネットは2022年度より「折りたたみコンテナ(オリコン)」を使った納品に取り組んでいます。オリコンはプラスチック製のコンテナボックスで、何度も繰り返し使用することができます。また外部からの圧迫や衝撃に強く、潰れる心配がないことから、緩衝材を使わずに商品を配送することが可能です。

折りたたみコンテナ(オリコン) 折りたたまれた状態
プラスチック製のオリコン。未使用時には折りたたんで保管することができる。側面にはHappinetのロゴも。

お取引先さまのご協力の下、2022年の7月より9店舗でオリコンの運用を開始。商品の品質・納品時間ともに影響がないことが確認できたことから、順次運用を拡大し、2022年11月時点で47店舗にてオリコン納品を行っています。

オリコン内画像
車両内積荷 台車で運ぶ
オリコンによる集荷と納品。納品後はオリコンをお取引先さまに保管していただき、次回納品時に配送会社のドライバーが回収。
集荷の際にハピネットへ返却してもらう。

オリコンの導入により、使用段ボール枚数を約13.0%削減、梱包時に必要だったテープや緩衝材などの資材の使用量は約13.1%削減しました。CO2年間排出量はオリコン導入前の2021年は656.44t-CO2だったのに対し、オリコン導入後の2022年では636.74t-CO2と、約4%の削減効果が期待できます。今後はオリコン納品を102店舗まで拡大し、CO2年間排出量約10%削減を目指します。

総使用ダンボール量​
23%減
緩衝材(ビニール)量​
50%減
年間CO2排出量削減目標​
オリコン内画像
施策前 2021年オリコン納品開始前の年間CO2排出量
現状 オリコン納品対象店舗を出荷実績から試算した年間CO2排出量
目標 今後展開していく店舗の出荷実績から試算した年間CO2排出量

また、梱包を行わなくなったことで、梱包にかかる作業時間についても年間3,890人時の削減となったほか、お取引先さまにおける廃材処理の手間の削減にもつながっています。商品破損についても、オリコン納品に変更後は輸送中や運送会社の中継地点での荷物積み替えによる破損が減り、破損発生率が0.10%から0.06%へと減少しました。

船橋ロジスティクスセンターの使用電力を全面グリーン化

ハピネット船橋ロジスティクスセンターは、三井不動産が提供する「グリーン電力提供サービス」を導入し、物流施設で使用する電力を全面グリーン化しました。

グリーン電力提供サービスは、三井不動産が保有・賃貸するオフィスビルなどで使用する電力を、「トラッキング付非化石証書※1」の使用によって実質的に再生可能エネルギーとして提供するサービスです。使用電力は、国際基準であるRE100※2に適合した電気として認定されます。

船橋ロジスティクスセンターは物件の一部にテナントとして入居していることから、太陽光パネルなどの設備を自社で設置することが難しい環境下にありましたが、同サービスを導入することで、実質再生可能エネルギーへの切り替えが可能となりました。

グリーン電力の採用により、年間使用電力約40万kWh、約200t-CO2のCO2排出量を削減することになります。

現在、市川ロジスティクスセンターにおいても太陽光発電の導入を検討しています。機械設備を充実させている市川ロジスティクスセンターは、ハピネットの物流領域で最も多くの電力を使用する施設です。同センターのグリーン電力化に取り組み、脱炭素に向けた取り組みを大きく前進させていきます。

担当者の声

(株)ハピネット・ロジスティクスサービス 東大阪ロジスティクスセンター 運用管理チーム 倉田 雅伸

サステナブルな取り組みとして皆さまにご好評いただいています

私はオリコン納品店舗の対応可否の確認・コスト試算結果の共有や、イレギュラー発生時の共有・対応などを行っています。また運送会社との物量連絡・車両台数調整、オリコン納品の新規エリア開拓、提案いただいたルートの確認なども仕事の一部です。

今回のオリコン納品の取り組みで最も力を入れた点は、この取り組みをいかに関係者の方に理解していただけるかということでした。ハピネットグループ全体だけでなく、お取引先さまも含むサプライチェーン全体で環境問題や作業効率化に取り組む必要性をご説明し、ご理解いただきました。現在では、サステナブルな新たな取り組みとして皆さまにご好評いただいています。お取引先さまにおいても開梱作業や廃材処理がなく、品出しの効率も良くなったとの声がありました。

課題は、オリコンから飛び出してしまう長さのある商品の保護方法です。対策案として規格外にはなりますが、飛び出さないサイズの折りたたみ式の箱を考案中です。

まわりの上長のアドバイスや同僚の助けもあり、現状、大変良い運用ができていると感じています。今後は近畿エリアでまだ適用していないお取引先さま、そして中部・中国エリアにも範囲を広げ、環境負荷低減の取り組みをさらに推進していきたいと考えています。

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倉田 雅伸

(株)ハピネット・ロジスティクスサービス 物流管理チーム 今井 謙治

広い視野を持ってカーボンニュートラルに向けて取り組みます

グリーン電力化においては、物件オーナーである三井不動産さまとの調整・契約まわりを担当しました。まずは先方の担当者さまから本取り組みの概要を伺い、直近数年の船橋センターの電気使用量実績値データを収集し、当社におけるCO2排出量削減値効果の検証や、先方よりご提案いただいている単価による導入コスト試算などを行い、導入に足る価値があるのかを検討しました。

船橋ロジスティクスセンターは一棟借りの物件と異なり、8階建て物件の7階のみを間借りしているため、機材の設置などなかなか当社側からの脱炭素に向けたアクションはしにくい環境にありました。そのような中、本取り組みは大きな投資も設備も必要なく、使用電力のほぼ100%をグリーン電力化できます。環境活動に貢献できる余地があるとわかり、前向きに検討するに至りました。

環境活動における企業の取り組みの価値・責任が年々高まっていると認識しています。今回の船橋ロジスティクスセンターにおけるグリーン電力化を皮切りに、広い視野を持ってカーボンニュートラルに向けた取り組みを推進していきたいと思います。

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今井 謙治

グリーンロジスティクスを目指して

ハピネットグループの中でも事業活動によるCO2排出量が多い物流領域において脱炭素の取り組みを進めることは、グループ全体に大きな影響を与えます。梱包資材削減やグリーン電力の使用だけでなく、輸送の効率化、梱包資材の最適化、物流センターの省エネルギー化など、あらゆる面で脱炭素に取り組み、グリーンロジスティクスを目指していきます。