特集1
ハピネットグループは、商品を安定的に届ける物流領域において、環境負荷の低減と業務効率化の両立に取り組んでいます。オリコン納品の拡大、カプセル玩具領域での資源循環、輸送車両の見直し、グリーン電力・太陽光発電の導入などを通じて、梱包資材の削減、廃棄物の削減、CO2排出量の削減を進め、持続可能な物流モデルの構築を目指しています。
物流領域から、環境負荷低減と事業効率化の両立へ
商品をお客さまへ安定的に届ける物流領域は、ハピネットグループの事業を支える重要な基盤です。一方で、梱包資材の使用、廃棄物の発生、輸送や物流センター運営に伴うCO2排出など、環境負荷と密接に関わる領域でもあります。
ハピネットグループでは、こうした物流領域の特性を踏まえ、梱包資材の削減・再利用、廃棄物削減・資源循環、輸送に伴うCO2排出量削減、物流センターにおける再生可能エネルギーの活用など、施策ごとに課題を整理しながら、環境負荷低減と事業活動の効率化を両立する取り組みを進めています。
梱包資材と作業負荷を削減するオリコン納品
オリコン納品は、従来の段ボールや緩衝材、テープなどを使用した納品から、繰り返し利用できる折りたたみコンテナによる納品へ切り替える取り組みです。ハピネットグループでは、2022年7月の開始時点で9店舗だったオリコン導入店舗数が、2022年11月には47店舗、2023年には188店舗、2025年には700店舗へと拡大しました。現在は九州エリアおよび関東エリアへの展開を進め、対象店舗数を合計1,500店舗まで拡大することを目標としています。
カプセル玩具領域においても、物流に伴う梱包資材の削減と配送先での廃棄量削減を目的に、オリコン納品の取り組みを開始しています。2025年6月に7店舗、導入オリコン数300個から開始し、2026年5月には19店舗まで拡大しました。店舗で使用するオリコンの保管方法や回収方法を含め、配送会社や店舗管理担当者と連携しながら、実運用が可能な体制を構築しています。
オリコン納品では、資材を繰り返し利用できるため、従来の納品では一度限りで捨てられていた段ボールや緩衝材、テープなどの梱包資材の廃棄を抑えることができます。また、輸送時の荷崩れや積み替えに伴う商品破損の減少など物流品質の向上につながっているほか、段ボールの組み立てや緩衝材の投入といった梱包作業が不要となることで、出荷現場の作業工程を削減し、省人化と業務効率化にもつながっています。
一方で、オリコン納品を拡大するには、納品後のオリコンを回収し、繰り返し使用するための配送・回収体制を整える必要があります。そのため、取引先ごとの納品条件や要望に対応しながら、配送会社との調整やルート配送への切り替えを進めています。今後は、新たな運送会社の開拓や、オリコンに限らない物流資材の検討も進め、安定的かつ持続可能な物流体制の構築を目指します。
空カプセルの再利用・再資源化に向けた取り組み
ハピネットグループでは、カプセル玩具や自動販売機に関わる廃棄物について、サーマルリサイクル(熱回収)やマテリアルリサイクルを通じた資源の有効活用を図っています。また、鉄を含む部材については、一部を鉄資源として再利用するなど、廃棄物をできる限り資源として活かすことで、環境負荷の低減につなげています。
現在、目指しているのは、空カプセルの回収からリサイクル資源化までの運用を確立し、その資源を活用した製品を「ガシャココ」で配布できる仕組みの実現です。物流領域に限らず、営業拠点などにも循環型の取り組みを広げ、社内全体で資源循環を実践できる仕組みづくりに取り組んでいきます。
カプセル玩具商品の輸送車両の見直し
カプセル玩具自動販売機を設置する取引先店舗への営業巡回や、商品補充・新商品の投入に使用する輸送車両についても、環境負荷低減の観点から見直しを進めています。従来のハイエース(ガソリン車)から、CO2排出量の少ないディーゼル車へ順次切り替えるとともに、プロボックスのハイブリッド車も新たに導入しました。
ただし、環境性能の高い車両への切り替えは、業務への影響を慎重に見極めながら進める必要があります。プロボックスはハイエースと比べて積載量が限られるため、商品量・巡回先・納品頻度といった業務実態に応じて、各拠点に最適な車両構成を検証しながら展開しています。
物流センターでの環境負荷低減
物流センターにおいては、CO2排出量削減に向け、再生可能エネルギー由来の電力活用を進めています。船橋ロジスティクスセンターでは、グリーン電力の導入により年間約40万kWhの電力を再生可能エネルギーへ切り替え、173tのCO2排出量削減につなげています。また、市川ロジスティクスセンターでは、太陽光発電の導入により同センターにおける全体電力の30.7%を賄うとともに、系統電力を再生可能エネルギーへ切り替えることで、年間約420t(太陽光発電149t、系統電力切り替え271t)のCO2排出削減につなげています。加えて、契約電力の見直しを通じて、年間コストの削減も実現しました。
これらの取り組みは、CO2排出量の削減だけでなく、省エネルギーの推進や電力コストの最適化にもつながっています。今後は、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた活用モデルや、コーポレートPPAなど、中長期的な視点での再生可能エネルギー調達についても検討していきます。
持続可能な物流モデルの構築に向けて
玩具業界は、季節変動や流行の影響を受けやすく、短期間での大量出荷や在庫調整が求められる特性があります。だからこそ、物流領域では、過剰在庫や廃棄ロスの削減、輸送効率の最適化、梱包資材の適正化、エネルギー使用量の削減などを通じて、環境負荷を抑えながら安定した供給体制を築いていくことが重要です。
今後もハピネットグループは、取り扱う商材の変化や仕入れ・出荷先の多様化に柔軟に対応しながら、物流体制やオペレーションをさらに進化させていきます。人々の楽しさや感動を支える物流だからこそ、社会的責任を意識し、環境負荷の低減、業務の高度化、新たな付加価値の創出に継続して取り組み、社会とともに成長し続ける企業を目指します。
担当者の声
(株)ハピネット・ロジスティクスサービス 東大阪LC 運用管理チーム 正垣 花音
現場の声を生かし、オリコン納品の定着と拡大を進めていく
オリコン納品は、環境負荷低減と業務効率化を同時に実現できる取り組みです。導入にあたっては、店舗ごとの納品条件や配送ルール、運送会社との調整など、多くの確認が必要でした。ルート配送への切り替えにより、従来の路線便では午前中に納品できていた店舗が午後納品になるケースもありましたが、検品や品出し作業の効率向上、輸送時の商品破損の減少など、納品先にとっての具体的なメリットを丁寧に説明し、多くの店舗さまからご了承を得ることにつながりました。
導入後は、開梱作業や廃材処理が不要になり、品出し作業がしやすくなったという声をいただいています。また、外側から中身や物量を確認しやすく、陳列作業が行いやすくなった点も評価されています。運用が定着するにつれて、店舗さま、運送会社さま、社内それぞれの負担が着実に軽減されていると感じています。
中には、オリコン納品を経験した店長が、異動先でも同様の納品形態への切り替えを希望された例もありました。営業部門からオリコン納品への切り替え相談が増えてきたことも、本取り組みへの理解が社内で広がり、共通の施策として浸透してきた証だと捉えています。今後も現場の声を大切にしながら、より良い運用方法を模索し、持続可能な物流体制の構築に貢献していきたいと考えています。
(株)ハピネット 物流部 塚本 岳司
廃棄物削減と資源活用を通じて、ハピネットらしい循環型の取り組みへ
オリコン納品では、対象店舗の選定、各法人窓口や配送先店舗との調整、配送コストの試算など、運用設計から実行に向けた調整業務を担当しました。空カプセルのリサイクル資源化についても、外部委託業者や店舗と連携し、店頭での回収体制の構築、消費者向けの分別廃棄方法の整理、回収した空カプセルの物性調査などに取り組んできました。
オリコン納品は、梱包資材や梱包作業そのものを削減できるだけでなく、これまで梱包や資材管理に費やしていたコストや人員を、より付加価値の高い業務へ振り向けることが可能です。単なるコスト削減にとどまらず、人や時間を有効活用できることに、この取り組みの意義があると感じています。
また、空カプセルのリサイクル資源化は、廃プラスチックを「廃棄物」ではなく「資源」として活用する取り組みです。すぐに大きな成果が出るものではないかもしれませんが、循環型社会の実現に向けた重要な一歩であり、ハピネットらしさを広げていくうえでも価値のある挑戦だと考えています。社内からも「ガシャココとして何か取り組めないか」といった問い合わせが寄せられるようになり、社会的関心の高まりを感じています。
今後は、オリコン納品の拡大を継続するとともに、代替資材の模索や、プラスチック段ボールを流用した循環資材の運用についても検討を進めていきます。こうした循環型の取り組みを物流領域に限らず営業拠点などにも広げ、社内全体で資源循環を実践できる仕組みづくりに取り組んでいきたいと考えています。
(株)ハピネット・ロジスティクスサービス 管理チーム 吉岡 純也
電力の安定供給と環境配慮を両立し、物流を支える
電力に関する業務では、市川・船橋・東大阪の3センターにおける電力の支払照合処理、使用電力量と料金の履歴管理、市川センターの電力施設管理などを担当しています。船橋・東大阪では使用電力の推移や傾向を踏まえた節電・猛暑対策などの支援を、市川センターではオーナーさまと協議しながら、当社が主体となって運用管理を行っています。
グリーン電力や太陽光発電の導入にあたっては、「環境性」「コスト」「安定性」のバランスを重視しました。物流DXの推進により電力への依存度が高まる中、安定した電力供給体制の確保は事業運営の基盤として欠かせません。一方で、省エネルギーの徹底や猛暑時でも働きやすい倉庫環境の整備、CO2排出の抑制を通じて、環境負荷の低減と電力コストの最適化を同時に実現していくことが重要だと考えています。
取り組みを進める中で、電力契約や需給の仕組みを学び直す機会にもなりました。自家用太陽光発電の導入や系統電力のグリーン化を検討する過程で得た知見は、電力メニューの見直しによるコスト削減にもつながっています。また、その成果をグループ会社と共有することで、再生可能エネルギー活用に関する考え方や実務ノウハウが横断的に広がり、会社間の協力関係が強まったことも印象的でした。
電力は事業を行う上で不可欠でありながら、これまでは「あって当たり前」と捉えがちな存在でした。しかし、どのような電力によって事業が支えられているのかを考えることで、エネルギーを自分事として意識できるようになりました。子どもたちに夢を届ける商品を扱う企業として、その未来を支える環境が持続可能であるよう、一つひとつの選択や行動に責任を持って取り組んでいきたいと考えています。
今後は、中長期的な視点で太陽光と蓄電池を組み合わせた活用や電力使用の最適化を図ることで、自律的かつ柔軟なエネルギー管理を目指していきます。電力は、企業同士が競い合うだけの領域ではなく、知見を持ち寄り、価値を高め合える領域でもあります。他社の取り組みからも学びながら、持続可能な物流を支えるエネルギー施策を進めていきたいと考えています。
