ヒューマンレポート 2022年度

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5. 企画(映像・音楽)

コンテンツプロダクションカンパニー
(株)ハピネットファントム・スタジオ
映画本部 企画調達部 企画調整チーム

杉本 雄介

バリアフリー・フレンドリー上映で、
誰もが映画を楽しめる環境を

相関図

仕事・役割

企画立案から出資者との調整まで、多岐にわたり映画作品に携わる

私は、映画の配給宣伝や、配信などの二次利用を主に行うハピネットファントム・スタジオの企画調整チームに所属しています。作品を自ら企画するほか、他社さまから作品をお預かりするなど、「作品調達」を行うのが私の役割です。作品の完成後も、宣伝や営業などの各部門と連携を図りながら、スタッフ・キャスト・出資者との調整を行うといったように、企画の立ち上げから作品がお客さまに届くまで、全体を通じて作品に関わります。最も長く作品に関わる仕事といえるかもしれません。

自分が担当した作品がヒットしたり、評価されたりするのはもちろん、作品を作り上げていく過程で新しい才能に出会えたり、いつか一緒に仕事をしてみたいと思っていた方との仕事が実現したりするところも、この仕事の醍醐味だと感じます。

作品づくりは、目的地以外ほぼ何も描かれていない地図を頼りに旅をするようなものです。仲間を増やし、その仲間と共に地図を描き直していく作業も楽しんでいけたらと思っています。

かかわりの深いステークホルダー

  • お取引先さま
  • お客さま
  • 従業員
写真
コンテンツプロダクションカンパニー
(株)ハピネットファントム・スタジオ
映画本部 企画調達部 企画調整チーム
杉本 雄介

サステナビリティ

障がいのある方や小さいお子さま連れの方も映画を楽しめる環境作り

老いた母親と自閉症の息子が社会の中で生きていく様を、温かく誠実に描いた人間ドラマ『梅切らぬバカ』を2021年11月に公開しました。初日の朝から映画館の前に行列ができ、観客動員数10万人を突破するなど、お陰様で多くの方にご覧いただきました。

本作では、フレンドリー上映※1、バリアフリー上映※2を実施し、障がいのある方や小さいお子さま連れの方も気兼ねなくご覧いただけるようにしました。また2022年5月11日に発売したBlu-ray・DVDにも、バリアフリー日本語字幕と日本語音声ガイドを付けています。

字幕や音声ガイドの制作にあたっては、本作の監督・脚本を手掛けた和島香太郎氏が、「上手く伝わるようにするにはどのような表現がベストか」を専門家の方々と一緒に悩み、言葉を尽くしてくれました。公開後はフレンドリー上映の取り組みも拡大し、「普段はなかなか映画館で映画を観るのは難しいけれど、これなら家族と一緒に観ることができます」と、自閉症の家族をお持ちの方からお言葉をいただき、多様な方々に映画を楽しんでいただける環境を用意できたことをうれしく思いました。

本作品は、声高に「これが正しい」と宣言することはありません。だからこそ私たちの中に自然とこの親子を温かく見守りたいという気持ちが芽生えるのだと思います。この仕事をしていると、つい「作品のテーマは何か」「言いたいことは何か」という議論に陥りがちですが、結論を提示するのではなく、物語を通じて身近な誰かを想い、私たちが生きる世界について考えるきっかけを与えることも、エンタテインメントを提供する企業の役割のひとつだと思っています。

  • ※1 通常より場内照明を明るく、音響を控えめにして上映するもので、上映中に席を立ったり、声を出したり、途中で退場したりしても構わない。
  • ※2 耳や目が不自由な方に向けて、音が伝える情報を字幕で表示する「バリアフリー字幕」や、登場人物の動きや表情、景色などをナレーターが説明する「音声ガイド」などを備えた上映。

主なサステナビリティ

  • 顧客満足度の向上「多様な映像音楽コンテンツの提供」
ロゴ
©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト

今後の展望・課題

どんな時代にあっても、立ち止まらず、しなやかに対処する

作品の作り方も、マーケティングの方法も、コロナ禍で大きくオンライン寄りに変化しています。お客さまが情報に触れる接点も目まぐるしく変化しており、便利な技術もたくさん登場しました。新型コロナウイルスという社会環境の劇的な変化が、市場の変化のスピードを加速させたのかもしれません。今後、作品作りが一層ボーダレスになっていき、はじめから海外を視野に入れた作品も考えられるかもしれません。どんな時代にあっても、立ち止まらず、しなやかに対処できること。それが多様な映像音楽コンテンツの提供を通じた顧客満足度の向上のために、大切な事なのだと思っています。